サッカー選手に知ってほしい「足の機能」──LTSS設計思想の原点

2025.06.27

「走る・止まる・蹴る・ジャンプする──」

サッカーに欠かせない動きは、すべて“足”から始まります。

しかし、私たちは本当に「足の機能」を理解できているでしょうか?

LTSS設計思想は、足の“構造”と“機能”を正しく理解することから生まれました。

本記事では、4つの基本機能から“足指力”まで──

パフォーマンスの鍵を握る「足の仕組み」をわかりやすく解説します。

足の4つの基本機能──LTSS設計思想の土台

足には、以下の4つの主要な機能があります。

1. 安定調整:二足歩行の土台となり、体を支える

足は全身の“土台”です。立つ・止まる・方向を変えるといった場面では、足の安定性が求められます。

▶ たとえば…

1対1の守備で相手の切り返しに反応する瞬間、

“ぐらつかずに踏ん張れるか”どうかは、足裏の安定性にかかっています。

2. 動作推進:蹴る・走るなどの動作を生み出す

足のアーチ構造や足趾の動きは、地面をしっかりと蹴るための“推進力”を生み出します。

▶ たとえば…

スプリント時の“1歩目の爆発力”や、ドリブルでの加速。

これらは足の推進機能が正しく働いている証です。

3. 衝撃吸収:着地などの衝撃を緩和する

ジャンプの着地や、方向転換時の接地では大きな衝撃が足に加わります。

アーチや足裏筋群がその衝撃を吸収し、膝や腰への負担を軽減しています。

▶ たとえば…

ヘディングのジャンプ後や、空中での競り合いの着地で、衝撃を和らげてくれるのが足の“バネ”の働きです。

4. 感知・適応:足裏・足背で状況を感じ取り、即座に対応する

足裏のメカノレセプター(感覚受容器)は、地面の状態・接地圧・重心のズレを即時に感知します。

その情報が脳や筋へフィードバックされ、プレーの“微調整”が可能になります。

▶ たとえば…

足裏でボールをタッチした瞬間のわずかなズレを感知して調整できる。

これは“足で見る感覚”が働いている証拠です。

足指力──4つの機能すべてを支える「握る力」

足指力とは、足の指を“握る力”のこと。

地面を掴む力や、足指全体で体を支える力を指します。

この足指力は、安定調整・動作推進・衝撃吸収・感知適応といった、

足の4つの基本機能すべてを下支えする重要な要素です。

言い換えれば、「足指が使えること」が競技者本来の力を発揮する土台となるのです。

▶ 足指力を養う方法については、以下の記事でも詳しく紹介しています:

足指力を養うための方法|LTSS設計思想ブログ

これら4つの機能が連携して働くことで、サッカーにおける「動きの質」や「判断の速さ」は大きく変わってきます。

LTSS設計思想は、こうした足本来の働きを妨げず、むしろ引き出すために生まれました。

「足の構造」は人類の傑作──アーチとウィンドラス機構

レオナルド・ダ・ヴィンチはこう語っています。

「足は人間工学上、最大の傑作であり、そしてまた最高の芸術作品である。」

足の構造は驚くほど精密で、特に重要なのが「アーチ構造」と「ウィンドラス機構」です。

アーチ構造

足の骨格は、以下の3つのアーチによって支えられています。

内側縦アーチ:いわゆる土踏まず。衝撃を吸収し、バネのように働きます。

 ▶ スプリントやジャンプ時に、足が地面を“押し返す”力の源となります。

外側縦アーチ:足の外側に位置し、接地の安定を担います。

 ▶ ドリブル中の踏ん張りや方向転換で“ぐらつかない”力に関係します。

横アーチ:中足骨で形成され、横方向の衝撃を分散します。

 ▶ 足裏トラップの微調整や、スパイク内でのフィット感にも関わります。

ウィンドラス機構とは?

足の指を反らす(足趾背屈)と、足底腱膜が巻き上げられ、アーチが引き上げられます。

足底腱膜が“張る”ことで足全体の剛性が高まり、地面をしっかり蹴る準備が整います。

これは、歩行やジャンプ、走行などの動作で自然に発動する、人間に“内蔵されたメカニズム”です。

▶ たとえば…

スプリントの「蹴り出し」や「加速時」

ジャンプの「踏み切り」

ドリブル時の「細かな切り返し」

これらの場面では、足指が反ることでアーチが瞬時に引き上げられ、

力強く、しなやかにプレーできる準備が整うのです。

感知を設計に取り入れるという視点──LTSSの特異性

多くのインソールやサポーター製品は、足の動きや姿勢を整えたり、

負担を軽減するという観点から開発されています。

「支える・補う」という機能性は非常に優れています。

しかしその一方で、「足裏の感知機能」──

すなわち、メカノレセプターによる地面の状態や微細な圧の変化を感じ取る力──にまで

配慮されている例は、まだ多くありません。

LTSS設計思想では、まさにこの“感知する力”に注目しています。

足を感じ、動かし、判断する力を妨げないことが、選手の力を最大限に引き出すカギになると考えています。

この視点から製品化されたのが、LTSS設計思想をもとに開発された RxLセパレートソックスです。

また、現在市販されている他のセパレートソックスの中にも、

この「感知を妨げない」という発想に通じる品質を備えた製品が、少しずつ登場しています。

LTSS設計思想 “サッカー選手に気づいてほしい!感覚受容器メカノレセプターについて”

LTSS設計思想|“感覚受容器メカノレセプター”とは?──サッカー選手が知っておきたい「足裏の感覚」とは何か

足のケアと補助ツールにも目を向けよう

足の機能を理解し、最大限に活かすためには、ケガ予防や補助ツールの活用も欠かせません。

ここでは、足を支える代表的な製品と、その構造に関する信頼ある解説ページをご紹介します。

■ サポーター・足首の解剖学

McDavid|SPORTMED LABO「足首の解剖学」

ZAMST|足関節捻挫について

■ インソール・アーチの役割

シダスメディカルテック|足裏アーチの解説

ZAMST|足裏のアーチの役割

まとめ──競技者本来の力を引き出すサッカーソックスとは?

足の構造や機能を理解することは、サッカー選手にとって、パフォーマンス向上の第一歩です。

LTSS設計思想は、その足の仕組みに即したソックス設計を通じて、競技力の本質に迫ります。

足の構造や機能──すなわち「競技者本来の力」を引き出す。

それが、LTSSが目指すサッカーソックスのかたちです。

設計思想からはじまる共創へ

LTSSは、メーカーではなく「設計思想」です。

サッカーにおける足の使い方や構造に即したソックスのあり方を提案し、用具や考え方の“選択肢”を広げることを目的としています。

ソックス、スパイク、サポーター、インソール──

それぞれの役割を理解し、互いに高め合いながら、選手一人ひとりの足元を豊かにしていく。

共創による豊かな市場へ。

それが、私たちLTSSの願いであり、挑戦です。

お問い合わせ

KAKU SPORTS OFFICE

ご質問・ご相談はこちらまで:contact@kakusportsoffice.com

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https://ltss-soccer.com/

フットボールクリエイター 角田壮監

足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出すという視点から世界初のサッカーソックスの構造を分離させ完成されたセパレートサッカーソックスLeg Tool Separation Systemを考案。

「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。

KAKU SPORTS OFFICE MISSION

アスリート思考で心豊かな社会づくりをクリエイトする

KAKU SPORTS OFFICEは、「アスリート思考で心豊かな社会を創造する」をモットーに、競技スポーツに関わる個人・企業・団体の活動や事業を、的確な視点で分析します。そして、言語・文化・音楽・映像・活字といった多様な“シンボル”を活用し、人と人、組織と組織、企業と企業、人と組織・企業といったあらゆるつながりの中から、最大の相乗効果を生み出す組み合わせをコーディネート。新たな利益システムを構築するコミュニケーションコーディネーターとして活動しています。

また、創業者・企画者としての精神をもとに、理念や目的を共有できるパートナーの育成や、持続的かつ自走可能な組織づくりを支援するシステムコーディネーターとしても貢献。さらに、競技者一人ひとりが本来持つ力を引き出すメンターとして、競技スポーツの発展にも寄与しています。