
セパレートストッキングとは何か?──“脚”を分ける設計の必然性 セパレートストッキング特集 第2回
2025.07.09
目次
ソックスの“上半分”に、違和感はないですか?
「セパレートソックスって、あの短いやつでしょ?」
そう思われている方は、少なくないかもしれません。
けれど、それは“半分”だけを見ていることになります。
サッカーソックスは、足を覆うだけではなく、すね・ふくらはぎといった“脚”も覆う用具。
LTSS(Leg Tool Separation System)設計思想では、サッカーソックスを
• 足を包む「セパレートソックス」
• 脚を包む「セパレートストッキング」
という上下2つの構成要素に分けて設計しています。
この分け方には、新しさ以上に“必然性”があります。
なぜ分ける必要があるのか?
従来の一体型ソックスは、足と脚をひと続きの素材で包む構造。
しかし、足と脚は、構造も役割もまったく異なる部位です。
一体型ではこの両方を“同じ素材・同じ設計”でまかなう必要があるため、
どうしてもどちらかが犠牲になってしまう──これが長年続いた構造的な課題でした。
LTSSがたどり着いた“分離”という答え
LTSSは2016年の構想段階から、
「足の機能と脚の機能は別々に設計されるべき」という考えに基づき、
2017年に世界初の体系化されたLTSS 設計思想のセパレートストッキングとして製品化されました。
LTSSが定義する「セパレートサッカーソックス」の構造とは?
LTSS設計思想では、
セパレートサッカーソックス=セパレートソックス(足部)+セパレートストッキング(下腿部)
という構成を2016年の段階で定義しました。
さらに以下の4つの要素によって構成される
**“完成されたセパレートサッカーソックス”**こそが、LTSSが提案する理想の形です。
この設計により、部位ごとの最適な用具選びと快適性が両立され、競技中のパフォーマンスや感覚にも大きく貢献します。
セパレートストッキングは“脚のための用具”
LTSS設計思想に基づくセパレートストッキングでは、以下のような機能設計が取り入れられています:
• ふくらはぎの形状に沿った立体的な編み設計
• すねあてをしっかり安定させる適度な伸縮性
• ズレ・たるみを防ぐ裾口リブとサカストテープ®との連携
• 過剰な締め付けを避け、快適さとフィットを両立
• 放熱・放湿・速乾性に優れた素材と通気設計
単なる“上半分のソックス”ではなく、
サッカー選手の「脚」を本気で考えた用具──それがセパレートストッキングです。
一体型との違いは「分けた」だけではない
セパレート設計は「ただ分けた」のではありません。
むしろ、「分けた上で、つなぎ目を感じさせない」ことに挑戦しています。
LTSS独自のSEAMLESS QUALITY®構造により、
セパレートソックスとセパレートストッキングの接続部分には、つっぱりや段差がありません。
だからこそ、“分けたのに一体感がある”新しい履き心地が実現できるのです。
まとめ|“脚のためのソックス”という新しい常識へ
「切って履く文化」から、「選んで履く文化」へ。
LTSS設計思想は、足と脚の構造的な違いを尊重し、競技者の自由と快適性を取り戻す設計です。
その中核を担うのが、「セパレートストッキング」。
次回は、脚の動きや構造にフィットするための設計思想をさらに深掘りしていきます。
🔗 関連リンク
• セパレートストッキングが脚(すね・ふくらはぎ)を保護する
• セパレートソックスだけで終わらせない──LTSS設計思想が示す完成形
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フットボールクリエイター 角田壮監
足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出すという視点から世界初のサッカーソックスの構造を分離させ完成されたセパレートサッカーソックスLeg Tool Separation Systemを考案。
「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。
KAKU SPORTS OFFICE MISSION
アスリート思考で心豊かな社会づくりをクリエイトする
KAKU SPORTS OFFICEは、「アスリート思考で心豊かな社会を創造する」をモットーに、競技スポーツに関わる個人・企業・団体の活動や事業を、的確な視点で分析します。そして、言語・文化・音楽・映像・活字といった多様な“シンボル”を活用し、人と人、組織と組織、企業と企業、人と組織・企業といったあらゆるつながりの中から、最大の相乗効果を生み出す組み合わせをコーディネート。新たな利益システムを構築するコミュニケーションコーディネーターとして活動しています。
また、創業者・企画者としての精神をもとに、理念や目的を共有できるパートナーの育成や、持続的かつ自走可能な組織づくりを支援するシステムコーディネーターとしても貢献。さらに、競技者一人ひとりが本来持つ力を引き出すメンターとして、競技スポーツの発展にも寄与しています。