
LTSS 設計思想が目指す、切らなくてもよい文化の始まり──世界と日本の選手の声から読み解くソックスの課題 セパレートストッキング特集|第5回
2025.07.12
なぜサッカー選手たちは、ソックスを切って履くのか?
それは単なる流行ではなく、構造的な違和感やパフォーマンスへの影響といった“課題”の現れでした。
今回は、世界と日本の選手たちの声、ニュース事例、そしてLTSSが2016年から向き合ってきた「切る文化の背景と限界」を掘り下げます。
切らなくてもいいソックスへ──その転換点に、いま私たちは立っています。
目次
ソックスを切る理由とは?
プロ選手たちが、チームの支給ソックスを切って短くし、自前のソックスと合わせて履いている姿を目にしたことはないでしょうか?
この“切って履く”スタイルは、近年では多くの国で一般的になってきました。
理由はシンプルです。
**一体型のサッカーソックスが「ズレる」「たるむ」「蒸れる」「圧迫感がある」**──
その違和感を少しでも減らすために、選手たちはソックスを“切って対処”してきたのです。
2016年、課題はすでに存在していた
LTSS(LEG TOOL SEPARATION SYSTEM)が構想された2016年。
当時はまだ“ソックスを切ること”がメディアに取り上げられる前でした。
しかし、現場ではすでにすね・ふくらはぎ部分(下腿部)の違和感が共有されていました。
以下の記事で述べたように、
👉 セパレートストッキングが脚(すね・ふくらはぎ)を保護する
この違和感の正体は、一体型ソックスが「足と脚の異なる構造・機能」に対応できていないことにあります。
LTSSは、それを分離し、それぞれに必要な役割と品質を与える設計思想としてスタートしました。
ニュースで取り上げられる「切って履く文化」
現在では、複数のメディアがこの課題を報じています。
📰 Why do footballers cut holes in their socks?
📰 中村敬斗のソックスの短さで話題に? サッカー選手の“すね当て”ルールに元主審・家本氏が回答「大きさや厚さなど…」【見解】
多くの選手が、次のような問題に直面しています:
• シンガードを入れるとソックスがたるむ
• 足首やふくらはぎの圧迫が気になる
• 自分の動きにソックスがついてこない
これらの声は、**“一体型ソックスの限界”**を示していると言えるでしょう。
LTSS設計思想が目指すもの
LTSSは、こうした“切らなければならない現実”に真正面から向き合い、「切らずに履けるサッカーソックス」の構造をゼロから再設計しました。
参考:👉 セパレートソックスだけで終わらせない──LTSS設計思想
足部(セパレートソックス)と下腿部(セパレートストッキング)の分離設計。
さらに、裾口の結合部までを設計に含むことで、ズレ・たるみ・圧迫の課題を根本から解決しようとしています。
切らないという選択──セパレートサッカーソックスの構造
LTSSでは、セパレートソックス(足部)とセパレートストッキング(脚部)を組み合わせた“セパレートサッカーソックス”という定義を採用しています。
そして、その接合部を
✅ 筋肉の動きを妨げない位置に設定し
✅ LTSS SEAMLESS QUALITY®という裾口設計で結合
さらに、サッカーソックス専用テープ(サカストテープ®)によって安定性と品位も保たれます。
参考:👉 切って履く文化の終わり──LTSS設計思想の裾口設計
まとめ:ソックスの未来は「構造」で変えられる
“切らなくてもいい構造”が、すでに存在しています。
LTSSが提唱するセパレートサッカーソックスは、選手たちの「違和感」に耳を傾け、解決の道を示してきました。
切って巻いて工夫する時代から、
選んで履けるサッカーソックスの時代へ──。
その転換点を、いま迎えようとしています。
次回は、セパレートストッキングとチームユニフォームの未来──慣習を超える選択へ
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フットボールクリエイター 角田壮監
足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出すという視点から世界初のサッカーソックスの構造を分離させ完成されたセパレートサッカーソックスLeg Tool Separation Systemを考案。
「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。
KAKU SPORTS OFFICE MISSION
アスリート思考で心豊かな社会づくりをクリエイトする
KAKU SPORTS OFFICEは、「アスリート思考で心豊かな社会を創造する」をモットーに、競技スポーツに関わる個人・企業・団体の活動や事業を、的確な視点で分析します。そして、言語・文化・音楽・映像・活字といった多様な“シンボル”を活用し、人と人、組織と組織、企業と企業、人と組織・企業といったあらゆるつながりの中から、最大の相乗効果を生み出す組み合わせをコーディネート。新たな利益システムを構築するコミュニケーションコーディネーターとして活動しています。また、創業者・企画者としての精神をもとに、理念や目的を共有できるパートナーの育成や、持続的かつ自走可能な組織づくりを支援するシステムコーディネーターとしても貢献。さらに、競技者一人ひとりが本来持つ力を引き出すメンターとして、競技スポーツの発展にも寄与しています。