
LTSS設計思想 サッカーソックスの厚み(薄い・厚い)の理解 ― 足とシューズを最適化するために
2025.09.12
サッカー選手にとって「足とシューズの一体感(最適化)」は、プレーの質を左右する大きな要素です。LTSS設計思想は、「足・足指・踵・足首の動きや感知機能を妨げず、シューズ内の足を保護する」ことを基本にしています。そのために不可欠なのが、サッカーソックスのセパレート化。
そこで、選手に知っておいてほしい「足とシューズの一体感(最適化)」調整手段が「ソックスの厚み」です。厚みは単なる快適性の問題ではなく、厚みを意識することでソックスは足とシューズのフィット感を微調整するための“道具”となります。今回は、その考え方と注意点を整理してお伝えします。
目次
- 1 理想と現実 ― サッカースパイクの素足感覚「新しいスパイク × 薄手ソックス」が理想。でも現実は僅かな差が生まれる。
- 2 ソックスの厚みが果たす役割ー厚み(薄い、厚い)を理解すればソックスは“フィット感を補正する用具”。素足感覚の調整役。
- 3 厚み(薄い・厚い)を選ぶときの注意点ーサイズ・スタイル・季節。厚みは万能ではなく“使いこなす”もの。
- 4 素材とベンチレーションの視点ー厚くても素材+通気性で“快適なベースレイヤー”に。
- 5 シューズとソックスは“一対”で考えるー
- 6 ソックスは足のベースレイヤー。僅かな気づきと選択が差を生む。
- 7 関連記事
- 8 お問い合わせ
- 9 フットボールクリエイター 角田壮監
理想と現実 ― サッカースパイクの素足感覚「新しいスパイク × 薄手ソックス」が理想。でも現実は僅かな差が生まれる。
サッカー選手が理想とするのは「新しいスパイク × 薄手ソックス」によるジャストフィット。足裏感覚やボールタッチのダイレクトさを最大限に引き出す組み合わせです。
しかし、現実にはこうした課題が待っています。
• 足とシューズの間にわずかな隙間が生じることがある
• 長さや幅はフィットしたが踵や中足部にゆとりができてしまう。
• 左右の足でサイズが異なる
• 使用を重ねるうちにシューズのアッパーが伸びたり型崩れしたりする
結果として、シューズ内で足がわずかな隙間ができてしまい、フィット感が損なわれることがある。
ソックスの厚みが果たす役割ー厚み(薄い、厚い)を理解すればソックスは“フィット感を補正する用具”。素足感覚の調整役。
こうした課題に対して「厚み」は調整のカギとなります。
薄手ソックス(Thin type)
• 感度が高くなり、ボールタッチや地面の情報を敏感に伝える。
• ただし、シューズにゆとりが生まれてしまうとフィット感を損なうこともある。
厚手ソックス(Cushion type)
• 足とシューズの隙間を埋め、シューレースを適度に締めることで“包み込む”フィット感を実現。
• 新品時のジャストフィットに近い状態を再現できる。
厚みの調整によって「素足感覚」を維持するための補正が可能になるのです。
厚み(薄い・厚い)を選ぶときの注意点ーサイズ・スタイル・季節。厚みは万能ではなく“使いこなす”もの。
ただし、厚みを選ぶ際にはいくつかの注意が必要です。
1. シューズとのバランス
厚み(薄い・厚い)はあくまで補助的な調整。正しいシューズ選びが前提です。
2. プレースタイルとの相性
シューズからの足背、足裏感触を重視する選手では薄手。足全体の包み込みを重視する選手には厚手が有効など、プレースタイルに応じた選択が必要です。
3. シーズンや環境条件
夏場は厚手だと蒸れやすく、冬場や硬いグラウンドではクッション性がプラスに働きます。
4. 厚みに頼りすぎない
厚み(薄い・厚い)によってフィット感を微調整は有益だが、第1項に加え正しいシューズの履き方が大前提である。
素材とベンチレーションの視点ー厚くても素材+通気性で“快適なベースレイヤー”に。
素足感覚を実現する確かな製法技術で編まれたソックスであっても、いざ厚手のソックスを着用するとなる時に気になるのが履き心地や蒸れではないでしょうか。そこで、着目すべき点が「素材」と「通気性」です。
• 素材
ポリエステルは速乾性・耐久性に優れる一方、ナイロンや混紡は柔らかさやフィット感が良い。天然繊維を混ぜれば吸湿性は増すが、耐久性に影響することもあります。耐久性に課題はあるが、近年メリノウールなども注目されています。
• ベンチレーション(通気性)
厚手ソックスは蒸れやすい傾向があることからこそ、編み方の工夫やメッシュ構造が重要。通気性の良し悪しは快適性とパフォーマンスに直結します。
素材と通気性を踏まえて選ぶことが、厚みを活かす前提条件となります。
シューズとソックスは“一対”で考えるー
シューズ単体では完成しない。“履くソックス込み”でジャストフィット。
ソックス単体では解決しない。“履くシューズ込み”でジャストフィット。
最後に強調したいのは、シューズとソックスは常に一対であるということです。
シューズを履いた時の”「良いフィット感」と「足を拘束する窮屈さ」は、似て非なるもの”です。
ジャストフィットを探すには、シューズ単体ではなく履くソックスを含めて調整することが本質的なアプローチ。近年、シューズ内の足のズレ(滑る)を解消するために足背や足裏に滑り止め素材貼付したグリップソックスを着用する傾向があります。大切なのは「ソックスの適度な厚み(クッション)で、シューズ内に過剰な隙間を作らない」習慣を持つことで、より高い完成度のフィット感が得られます。
ソックスは足のベースレイヤー。僅かな気づきと選択が差を生む。
サッカーソックスの厚みは、ただの快適性ではなく「足とシューズの最適化」を実現するための大切な要素です。
• 正しいシューズ選びと履き方
• ソックスの厚み(薄い・厚い)
• 素材や通気性
• シューレースの締め具合
これらを総合して調整することこそが、LTSS設計思想が目指す「競技者本来の力を引き出すフィット感」につながります。
足とシューズは日々変化します。その変化に気づき調整することも「ベストコンディション」を維持する要素ではないでしょうか。サッカーソックスは、足のベースレイヤー。足とシューズのコンディションに合わせてソックスを選ぶことが大切です。その“僅かな気づきと選択が、確かな差を生み出します。” ぜひ体感してみてください。
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お問い合わせ
KAKU SPORTS OFFICE
ご質問・ご相談はこちらまで:contact@kakusportsoffice.com
フットボールクリエイター 角田壮監
足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出すという視点から世界初のサッカーソックスの構造を分離させ完成されたセパレートサッカーソックスLeg Tool Separation Systemを考案。
「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。
KAKU SPORTS OFFICE MISSION
アスリート思考で心豊かな社会づくりをクリエイトする
KAKU SPORTS OFFICEは、「アスリート思考で心豊かな社会を創造する」をモットーに、競技スポーツに関わる個人・企業・団体の活動や事業を、的確な視点で分析します。そして、言語・文化・音楽・映像・活字といった多様な“シンボル”を活用し、人と人、組織と組織、企業と企業、人と組織・企業といったあらゆるつながりの中から、最大の相乗効果を生み出す組み合わせをコーディネート。新たな利益システムを構築するコミュニケーションコーディネーターとして活動しています。
また、創業者・企画者としての精神をもとに、理念や目的を共有できるパートナーの育成や、持続的かつ自走可能な組織づくりを支援するシステムコーディネーターとしても貢献。さらに、競技者一人ひとりが本来持つ力を引き出すメンターとして、競技スポーツの発展にも寄与しています。