LTSS設計思想 サッカー選手の着圧インナーストッキングの選び方ガイド|第1回

2025.07.13

ふくらはぎは“第2の心臓”。

本記事では、着圧インナーストッキングの基本的な役割と、なぜふくらはぎのケアが重要なのかを、LTSS設計思想の視点から解説します。

プロ選手から中高生、女子・シニア・指導者・保護者に至るまで、「正しく選ぶ」ための基礎知識をまとめました。**ただ履くのではなく、“どう履くか”“なぜ履くか”**を考えることで、パフォーマンス向上やケガ予防に大きな差が生まれます。

サッカー選手にとって、ふくらはぎはただの筋肉ではありません。それは“第2の心臓”とも呼ばれ、パフォーマンス・回復・ケガ予防において非常に重要な役割を果たす部位です。しかし、ふくらはぎのケアは軽視されがちで、着圧インナーストッキングの正しい使い方や選び方が浸透しているとは言えません。

このガイドでは、着圧インナーストッキングの本質と、LTSS設計思想に基づいた選び方をお伝えします。

着圧インナーストッキングとは?

着圧インナーストッキングは、ふくらはぎ(下腿)に段階的な圧力をかけることで、血流をサポートし、疲労軽減・回復促進・ケガ予防を図るアイテムです。

医療や介護の現場では古くから使われてきましたが、スポーツの分野でも広く普及し始めています。

サッカーにおいても、90分間の運動を支える下腿部のケアとして着圧インナーを導入する選手が増えており、プロや高校生世代、女子選手、シニア層まで広がりを見せています。

なぜ「ふくらはぎ」が重要なのか

ふくらはぎには、血液を心臓に戻す「筋ポンプ機能」があり、循環・冷え・むくみ・回復に深く関わっています。この筋肉が硬直したり、疲労が蓄積すると、血流が滞り、つり(痙攣)やパフォーマンス低下、ケガのリスクに直結します。

LTSS設計思想では、足部・下腿部を分離して最適化する中で、ふくらはぎをどう守り、活かすかに着目し、着圧インナーを重要な要素の一つとして位置づけています。

着圧の“メリット”と“誤解”

着圧には多くの利点がありますが、誤った使い方も見受けられます。

たとえば──

よくある誤解

本来の効果

締めつけが強いほどいい

過剰な圧力は逆効果。段階着圧が基本

普通のサポーターと同じ

着圧は血流サポートが主目的

疲れたときだけ履けばいい      

疲労予防には「履いてプレーする」 選択肢もある  

着圧であれば何でもいい

生地の厚み・通気性・立体形状・ズレ対策

 

正しく選ぶ・正しく使うことが、効果を最大限に引き出す鍵になります。

LTSS設計思想が示すインナー設計の意味

LTSS(Leg Tool Separation System)は、足部と下腿部を分離してそれぞれの機能に最適化する考え方です。着圧インナーストッキングは、“セパレートストッキングの内側”、つまり肌に直接触れるインナーとして履くことを前提に設計されています。この構造により、以下の3点に重きを置いています。

動きを妨げない段階圧設計 (FS-9000 :BUENOS AIRES)

蒸れない・ズレない編み構造

 セパレートストッキングとの重ね履きを考慮した設計

特に、LTSSでは「足と下腿は繋がっている」という身体構造に基づき、下腿部の状態が足部の動きや疲労感にも影響すると捉えています。だからこそ、着圧インナーは**単なるサポートギアではなく、プレー全体に関わる“インフラ”**だと位置づけているのです。

まとめと次回予告

ふくらはぎのケアは、コンディショニングの最前線です。着圧インナーストッキングを正しく理解し、自分に合ったものを選ぶことは、サッカー選手の新しい常識になりつつあります。

次回は、「着圧って何?」──よくある誤解と正しい選び方をテーマに、製品選びの基準やプレーへの影響をさらに詳しく解説します。

第2回 着圧って何?──ふくらはぎの「締めれば効く」は間違い?

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フットボールクリエイター 角田壮監

足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出すという視点から世界初のサッカーソックスの構造を分離させ完成されたセパレートサッカーソックスLeg Tool Separation Systemを考案。

「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。

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