LTSS設計思想 着圧インナーストッキング特集|第2回 着圧って何?──ふくらはぎの「締めれば効く」は間違い?

2025.07.13

着圧=“締めつけ”?──その認識、間違っていませんか?

本記事では、サッカー選手が誤解しやすい「着圧」の基本原理と、正しい選び方を解説します。圧力が強ければ良いという思い込みが、かえって逆効果になることも。

LTSS設計思想では、「段階着圧」と「プレー中の使い方」に着目し、機能を最大限に活かすインナー設計を追求しています。

“効かせるため”ではなく、“活かすため”に選ぶ──その視点が、着圧インナーを変えます。

「締めつけが強いほうが効くんでしょ?」

──実は、それ、誤解かもしれません。

近年、スポーツ現場でも一般化しつつある「着圧インナー」ですが、その正しい理解と選び方が浸透しているとは言えません。

着圧=圧力という単純なイメージが先行することで、逆に“本来の効果”を引き出せていないケースも少なくないのです。

今回は、「着圧ってそもそも何か?」という基本に立ち返り、LTSS設計思想の視点から、正しい知識と選び方を解説します。

着圧とは「段階的なサポート」

着圧とは、足首からふくらはぎ、場合によっては太腿へと段階的に圧をかけて血流をサポートする仕組みのことです。

医療の現場では「段階着圧ソックス」として静脈還流を促すために使われており、スポーツ用でも同じように、一定方向に血液を戻すサポートをするために設計されています。

ポイント:均一ではなく、「段階的」に圧力を分散・調整する設計が基本です。

強ければ強いほど良い?──着圧に関する4つの誤解

 

よくある誤解

正しい理解

締めつけが強い方が効く   

強すぎると血流を妨げて逆効果になる

疲れた後に履けばいい

疲労予防にはプレー中に履くことが大切   

普通のサポーターと同じ

着圧は血管の流れに働きかける目的が主

とにかく細めサイズが良い

サイズが合わないと機能を発揮できない

 

特に「締めればいい」「キツいほど効く」というイメージは根強く、過度な締めつけが筋肉や神経にストレスをかけるケースもあります。

着圧インナー選びのポイント

着圧アイテムを選ぶ際に注目すべきは「圧力の強さ」ではなく、以下の3点です:

段階的圧力設計(足首→ふくらはぎへと緩やかに)

適正サイズの選択(ふくらはぎの周囲と長さに合ったものを)

素材と通気性(長時間のプレーに耐える快適性)

特にサッカーのように90分間の運動を続ける競技では、動きや汗によるズレやムレも影響します。

「フィットしているのに快適」──そんな品質こそが求められます。

LTSSが示す「着圧とプレー」の関係性

LTSS設計思想では、着圧インナーストッキングは単なるサポートギアではなく、**プレー中に履く“戦略的インナー”**と位置づけています。

着圧が適切に設計されていれば、

疲労の蓄積を防ぐ

血流を促進し、足のつりを抑制

下腿部の回復を早める

といった効果が期待できます。

また、LTSS製品では「セパレートストッキングの内側に履く」ことを前提に、ズレにくさ・通気性・重なりのストレス低減といったディテールにもこだわっています。

着圧は、“圧迫”ではなく“循環を支えるレイヤー”である

正しい設計と使い方が、ケガ予防やパフォーマンス維持につながる

まとめと次回予告

着圧とは、力で締めつけるものではなく、血液や疲労の“流れ”を整えるインナーウェアです。

今後、着圧アイテムは「ただ履く」から「どう履くか」「どう選ぶか」が問われる時代になっていくでしょう。

**次回は、「部位別に考えるサッカー用インナーの役割」**──

足部・下腿部”から始まる構造の再設計

部位ごとに異なる機能やアプローチを整理し、着圧を含めたインナー選びの基準をお届けします。

 第3回 部位別に考えるサッカー用インナーの役割──“足部・下腿部”から始まる構造の再設計

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📎 関連記事・参考資料:

着圧インナーストッキングの選び方ガイド(第1回)

ふくらはぎがつる中高生へ(2024.05.02)

RxL公式コラム:ふくらはぎのつりとサッカー選手

フットボールクリエイター 角田壮監

足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出すという視点から世界初のサッカーソックスの構造を分離させ完成されたセパレートサッカーソックスLeg Tool Separation Systemを考案。

「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。

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