LTSS設計思想 着圧インナーストッキング特集|第5回 「なぜ“Buenos Aires”なのか──」 勝利を走り切る脚、その“中”に思想を宿す構造。

2025.07.14

LTSS設計思想の着圧インナーストッキング「FS-9000 Buenos Aires」。

その製品名に“都市名”を冠した理由には、構造や性能だけでは語れない「設計思想」と「情熱」が込められています。

最終回となる今回は、連戦を走り切る競技者の脚を支えるために、なぜLTSSが“Buenos Aires”という名にたどり着いたのか──その背景に迫ります。

なぜ、段階着圧は「インナー」でなければならなかったのか

サッカーソックスには、**「すねあて(レガース)を完全に覆うこと」**が競技規則で義務づけられています。

この構造的なルールによって、表層のソックス(カーフタイプなど)に着圧効果を持たせても、その効果は“すねあて”によって妨げられてしまうという矛盾が生まれます。

LTSSはこの問題に対し、**「段階着圧は肌に直接触れるインナーでなければならない」**という逆転の発想にたどり着きました。

そして、その発想を具現化したのが、着圧インナーストッキングという構造です。

構造が語る、“ふくらはぎの自由”という思想

LTSSの着圧インナー「FS-9000 Buenos Aires」には、単なる設計ではなく“思想”が宿っています。

ドイツ製の医療用編み機を使用した高密度・超軽量設計

足首からふくらはぎ上部にかけての段階的な着圧で血流促進と筋振動の抑制

脚にも左右がある──その思想に基づく左右別設計

スネ側とふくらはぎ側で異なる立体的な編み構造

通気性・吸汗速乾など、重ね履き前提の仕様にも最適化

こうした機能性のすべては、**「ふくらはぎの自由を守る」**というシンプルかつ本質的な目的のために存在しています。

▶️ 製品ページ:FS-9000 Buenos Aires(公式オンラインショップ)

ベージュである理由──規則と現実のはざまで

着圧インナーの色は、競技規則上で明確な規定はありません。

しかし、白いストッキングの下に濃色のインナーを着用すれば、**「色が透ける」**という新たな課題が生まれます。

この色透けは、競技進行や審判の判断にも影響を及ぼす可能性があるため、LTSSでは、白色のソックスが透けにくいベージュを採用しました。

これは単なる色の選択ではなく、

**「サッカーという競技の現実とルールの両立」**に向き合った、実戦対応のカラー設計なのです。

なぜ、“Buenos Aires”なのか?

アルゼンチンの首都、ブエノスアイレス。

ここには、ボカ・ジュニアーズとリーベル・プレートという二大クラブが存在し、スタジアムは勝利への執念、情熱、興奮、歓喜、そして絶望が渦巻く特別な場所となっています。

そこでは、選手も観客も、走り、叫び、闘い続ける。

「闘い続ける」「走り続けること」そのものが文化であり、哲学である都市。

LTSSは、そんな都市の姿に、着圧インナーに込めた“思想”を重ねました。

最後の1歩まで、走り切るために。

ふくらはぎを守り抜く構造で、情熱を支え続けるために。

その強い願いを込めて、LTSSの着圧インナーは**「Buenos Aires」**と名付けられました。

最後に──ふくらはぎの中に思想を宿すということ

LTSSは、「サッカーソックスは、ただ履くものではなく、“装備する”ものだ」と捉え直します。

足部にはセパレートソックス

その上からは、サッカースパイク

下腿部には着圧インナーストッキング

その上からは、セパレートストッキング(カーフソックス)

このように機能ごとに分離された構造が、競技者本来の力を妨げず、むしろ引き出す設計思想こそが、LTSSの本質です。

「ソックス設計から見直す」という姿勢が、最終的には「足とシューズの最適化」につながっていく。

それが、LTSSが描く未来のフットボール装備のかたちです。

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https://kakusportsoffice.com/

https://ltss-soccer.com/

📎 関連記事

 ▶️ 第1回|ふくらはぎは“第2の心臓”──着圧インナーの意義

 ▶️ 第2回|着圧って何?──よくある誤解と正しい選び方

 ▶️ 第3回|部位別に考えるサッカー用インナーの役割

▶️ 第4回|着圧インナー Buenos Aires 誕生の理由

これで、LTSS設計思想 着圧インナーストッキング特集 5回にわたる連載は完結です。

ご覧いただいたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。

フットボールクリエイター 角田壮監

足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出すという視点から世界初のサッカーソックスの構造を分離させ完成されたセパレートサッカーソックスLeg Tool Separation Systemを考案。

「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。

KAKU SPORTS OFFICE MISSION

アスリート思考で心豊かな社会づくりをクリエイトする

KAKU SPORTS OFFICEは、「アスリート思考で心豊かな社会を創造する」をモットーに、競技スポーツに関わる個人・企業・団体の活動や事業を、的確な視点で分析します。そして、言語・文化・音楽・映像・活字といった多様な“シンボル”を活用し、人と人、組織と組織、企業と企業、人と組織・企業といったあらゆるつながりの中から、最大の相乗効果を生み出す組み合わせをコーディネート。新たな利益システムを構築するコミュニケーションコーディネーターとして活動しています。また、創業者・企画者としての精神をもとに、理念や目的を共有できるパートナーの育成や、持続的かつ自走可能な組織づくりを支援するシステムコーディネーターとしても貢献。さらに、競技者一人ひとりが本来持つ力を引き出すメンターとして、競技スポーツの発展にも寄与しています。