サッカーソックス設計思想(LTSS) ――セパレートソックスの役割の一丁目一番地は「足(肌)を守ること」

2026.01.22

サッカーソックス(特にセパレートソックス)の役割。その一丁目一番地は、選手の足=皮膚を守ることにあります。

サッカーは、比較的「不器用な足」でボールを扱いながら、105m×68mのピッチを縦横無尽に走り、止まり、方向を変える競技です。

急激なストップ&ターンを繰り返すため、選手はランニングシューズよりもはるかに剛性の高い、硬質スタッド付きのサッカーシューズ(スパイク)を着用します。

この**「硬いシューズ × 繰り返される高負荷動作」の中で、多くの競技者が一度は経験するトラブル──それが靴擦れ**です。

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サッカー選手に起こる「靴擦れ」とは何か

靴擦れとは、スパイクと皮膚の間で生じる摩擦や圧迫によって起こる、水ぶくれや皮むけ、炎症の総称です。

特に以下の条件が重なると発生しやすくなります。

サイズ・形状が足に合っていないスパイク

新品で素材が硬いスパイク

足のむくみや疲労

走り方・重心移動のクセ

外反母趾など足部形状の個人差

靴擦れは「不注意」ではなく、構造的に起こりうる必然的な現象だと言えます。

靴擦れが起こりやすい部位

サッカーにおいて靴擦れが起こりやすい部位は、主に次の5か所です。

かかと・くるぶし

足の裏

親指・小指

足の甲・指の表側

指と指の間

これらはいずれも、スパイク内部で摩擦・ズレ・圧迫が集中する場所です。

靴擦れ対策の基本

――「できてから治す」より、「できない構造をつくる」

靴擦れは、スパイクと足の間で起こる摩擦と圧迫によって生じます。

そのため対策の本質は、応急処置そのものよりも、靴擦れが起こらない環境を整えることにあります。

もし靴擦れができてしまったら

傷口を清潔にし、絆創膏などで保護する

水ぶくれは無理につぶさない

痛みや腫れ、化膿がある場合は無理をせず皮膚科を受診する

まずは悪化させないことが最優先です。

靴擦れを防ぐために大切なこと

自分の足に合ったスパイクを選ぶ

新品のスパイクは短時間から慣らす

摩擦が集中する部位を事前に保護する

足とスパイクの間にある「ソックス」の役割を見直す

用具と身体の関係を整えることで、防ぐことができるトラブルです。

だからこそ重要なのは、

「できてから対処する」ことではなく、

「できない構造を最初からつくる」こと。

この視点こそが、LTSS(サッカーソックス設計思想)の出発点です。

第二の皮膚としてのサッカーソックス

――足とスパイクのあいだにある、もっとも重要な存在

サッカーソックスは、単なるユニフォームの一部ではありません。

足とスパイクのあいだに存在する、唯一の可動する層です。

スパイクは硬く、変形しません。

足はやわらかく、動き、感覚を持っています。

その異なる2つの性質を融和させるのが、ソックスです。

サッカーにおいてソックスは、

**摩擦を受け止め、圧を分散し、皮膚を守る「第二の皮膚」**として機能します。

この役割が適切に果たされていないと、

靴擦れ、痛み、違和感、感覚の鈍化といった問題が起こります。

従来のサッカーソックスが抱えていた矛盾

従来の一体型サッカーソックスは、

すね当てを固定する

足部を保護する

という異なる役割を、一本のソックスで同時に担ってきました。

しかし、

すね部に必要な「固定」

足部に必要な「追従性・繊細さ」

この2つは、本来相反する性質を持っています。

その結果、足部にとっては

「たるむ」,「ズレる」、「摩擦が生じる」

といった問題が起こりやすい構造になっていました。

LTSSが考える「第二の皮膚」とは

LTSS(サッカーソックス設計思想)が目指すのは、

足の機能や感覚を妨げない“皮膚の延長”としてのソックスです。

余計なズレを生まない

摩擦をコントロールする

足の動きに自然に追従する

皮膚を守りながら、感覚を鈍らせない

ソックスは、厚ければ良いわけでも、

強く締めつければ良いわけでもありません。

「守るために、邪魔をしない」

それが、第二の皮膚としてのソックスに求められる条件です。

セパレート化という必然

私たちは、サッカーソックスのセパレート化を世界で初めて構造化し、普及啓発に努めてきました。

足部には、足部のためだけに設計されたセパレートソックスを

下腿部には、下腿部の役割に特化したセパレートストッキング(カーフスリーブ)を

役割を分けることで、足は足として、下腿は下腿として、それぞれが最適に機能する。

セパレート化は流行ではありません。

競技者の足元を真剣に考えた結果、たどり着いた構造です。

LTSSが考える「摩擦」とは

LTSSが考える摩擦とは、消すべき敵ではなく、制御すべき要素です。

必要な場面では止まり

不要な場面では逃がす

このバランスが取れてはじめて、足はスパイクの中で「安定」します。

靴擦れは、摩擦そのものが原因なのではありません。

摩擦が集中し、逃げ場を失ったときに起こります。

摩擦はゼロが正解なのか?――「滑らない=良い」という誤解

靴擦れ対策というと、「摩擦は少ないほうがいい」、「できるだけ滑らせないほうがいい」と考えられがちです。

しかし、サッカーにおいて摩擦をゼロにすることは、本当に正解なのでしょうか。

足とスパイクの間の摩擦を極端に減らそうとすると、今度は別の場所で、別の負荷が生まれます。

サッカーにおける摩擦は、一か所で起きているわけではありません。

足とスパイクのあいだ

足とソックスのあいだ

摩擦は、この二層構造の中で生じています。

どちらか一方だけに注目しすぎると、もう一方で摩擦が集中し、結果的に靴擦れや違和感、疲労を招くことがあります。

LTSSが考える摩擦の捉え方

LTSSが考える摩擦とは、減らすべき量の問題ではなく、配置と分散の問題です。

必要な場面では止まり

不要な場面では逃がす

そのバランスが取れてはじめて、足はスパイクの中で「安定」します。

摩擦をゼロにすることが目的ではありません。

摩擦が一部に集中しない構造をつくること

そして、足の構造や感覚を妨げないこと

つまり、LTSSは、用具による「摩擦ゼロ」を追求するのではなく、適切な用具を選び、足本来の機能を活かし、局部に集中する摩擦を和らげる構造を目指します。

それが、LTSSの考える摩擦対策です。

グリップとプロテクションの境界線――過剰に守りすぎると、感覚は失われる

次に考えるべきは、グリップ(止める) と プロテクション(守る) の関係です。

一般的には、

グリップが強いほど良い

クッションが厚いほど安全

と考えられがちです。

しかし、グリップが強すぎれば動きは制限され、クッションが厚すぎれば感覚は鈍ります。

足は、「力を出すための道具」であると同時に、情報を受け取る感覚器官でもあります。

守ることを優先しすぎた結果、感じる力を奪ってしまっては、本来のパフォーマンスは引き出せません。

LTSSが引く「境界線」

LTSSが重視するのは、守るために、感じる力を奪わないこと。

グリップは「固定」ではなく「安定」

プロテクションは「隔離」ではなく「緩衝」

この境界線を見極めることが、ソックス設計における最重要ポイントです。

足の動き、皮膚の感覚、プレー中の無意識の判断。

それらを邪魔しない範囲で、必要な保護だけを与える。

摩擦・グリップ・保護を「一体」で考える

LTSSでは、摩擦・グリップ・プロテクションを別々の要素として扱いません。

それらはすべて、「足とシューズの関係性」を形づくる、一つの設計思想です。

摩擦は、コントロールする

グリップは、安定を生むために使う

プロテクションは、感覚を守るために行う

この思想の延長線上に、セパレートソックスという構造があります。

LTSSが目指す足元のあり方――そして、私たちが守りたいもの

LTSSが目指す理想の足元は、とてもシンプルです。

ソックスの存在を、意識しないこと。

痛くない、ズレない、でも、感じられる。

それは、用具の存在を感じることなく、足にプレーの感触だけが残る状態です。

守られているのに、縛られていない。

支えられているのに、邪魔をされていない。

そんな足元ではじめて、競技者は無意識の判断を信じ、自分本来の動きに集中することができます。

私たちが守りたいのは、

私たちが守りたいのは、用具である「ソックス」や「スパイク」の価値ではありません。

私たちが守りたいのは、競技者のであり、足が感じ取る感覚であり、その先にあるプレーの質です。

靴擦れを防ぐことも、快適さを高めることも、すべては目的ではなく、手段にすぎません。

サッカーシューズを選ぶように、サッカーソックスを選ぶ時代へ。

LTSSは、足元から競技者本来の力を引き出すための設計思想です。

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フットボールクリエイター 角田壮監

足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出すという視点から世界初のサッカーソックスの構造を分離させ完成されたセパレートサッカーソックスLeg Tool Separation Systemを考案。

「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。

KAKU SPORTS OFFICE MISSION

アスリート思考で心豊かな社会づくりをクリエイトする

KAKU SPORTS OFFICEは、「アスリート思考で心豊かな社会を創造する」をモットーに、競技スポーツに関わる個人・企業・団体の活動や事業を、的確な視点で分析します。そして、言語・文化・音楽・映像・活字といった多様な“シンボル”を活用し、人と人、組織と組織、企業と企業、人と組織・企業といったあらゆるつながりの中から、最大の相乗効果を生み出す組み合わせをコーディネート。新たな利益システムを構築するコミュニケーションコーディネーターとして活動しています。

また、創業者・企画者としての精神をもとに、理念や目的を共有できるパートナーの育成や、持続的かつ自走可能な組織づくりを支援するシステムコーディネーターとしても貢献。さらに、競技者一人ひとりが本来持つ力を引き出すメンターとして、競技スポーツの発展にも寄与しています。